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学会の沿革

学会の沿革


 本学会の沿革は大きく,「日本皮膚アレルギー学会」と「日本接触皮膚炎学会」が併行して設立される時期,両学会が合同化し「日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会」となる時期,「皮膚脈管・膠原病研究会」とさらに統合し「日本皮膚免疫アレルギー学会」となる時期に分けることができる.

1. 日本皮膚アレルギー学会設立まで


「日本皮膚アレルギー学会」の母体は,1972年岡山大学谷奥喜平先生を代表世話人として発足した「抗原研究会(単純化学物質による皮膚障害研究会)」である.1976年からは、長崎大学吉田彦太郎先生が代表世話人となり、以後1994年6月までこの会を牽引された.吉田彦太郎先生のご尽力により,1991年に正式に日本皮膚アレルギー学会となっている.日本皮膚アレルギー学会は,アレルギー性皮膚疾患に関する研究及びそれに関連する医学の発展を促進することを目的とした.免疫学を中心とおいた皮膚アレルギーの研究を中心とし,大学を中心とした運営を行ってきた.その後,広島大学山本昇壯先生(1994年7月から1999年6月),浜松医科大学瀧川雅浩先生(1999年7月から2003年6月),和歌山県立医科大学古川福実先生(2003年7月から)が,理事長を歴任された.

2. 日本接触皮膚炎学会設立まで


一方,「日本接触皮膚炎学会」は,1975年に開催された日本皮膚科学会中部支部総会において須貝哲郎先生と西岡清先生の司会で開催された「パッチテストの再検討」という専門部会に始まる.その後 1976年に須貝哲郎先生,西岡清先生,早川律子先生などが「中部パッチテスト研究班」を設立し,さらには1981年から「パッチテスト研究班」となり,1989年には「日本接触皮膚炎学会」となった.理事長は,大阪回生病院須貝哲郎先生,名古屋大学医学部附属病院分院皮膚科・名古屋大学環境皮膚科学早川律子先生,2004年より藤田保健衛生大学松永佳世子先生が歴任された.日本接触皮膚炎学会は、パッチテストの標準化及び接触皮膚炎の原因物質の解明を目的として発足された学会である.実施臨床の病院勤務医,開業医が主体の臨床に直結した学会であり,発足以来下記の2つの共同研究を継続し,成果を挙げた.1つは,研究班発足当初に社会的問題となっていた黒皮症と呼ばれた色素沈着性接触皮膚炎を集積して原因物質を確定し,発生を止めたことである.もう1つは,パッチテスト方法標準化のためにパッチテストユニットの検討,接触アレルゲンのパッチテスト至適濃度及び基剤の検討を行ったことである.

3. 日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会設立まで


日本皮膚アレルギー学会と日本接触皮膚炎学会は,共に皮膚アレルギー疾患を対象とする学会であるという視点に立ち,1996年頃からその統合についての構想が始まった,1998年に両学会統合に向けての合同委員会が設立され,統合に向けていくつかの問題点を解決し,2000年から「日本皮膚アレルギー学会・日本接触皮膚炎学会学術連合」という名称を各々の学術大会で使用することとし,雑誌も相互乗り入れる形とした.2005年,2006年と合同学術大会を開催した後に,2007年4月この2つの学会が松永佳世子先生,古川福実先生のご尽力で合同化され,「日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会」となった.本学会の重要な使命は,学会の独自性を維持しながら,より高い専門性,より深い学術性,より開かれた公益性を求め続けることである.合同後の最初の年次大会は第37回日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会総会・学術大会として理事長に就任した松永佳世子先生を会長として開催された.その後理事長は,2011年4月より古川福実先生,2013年4月より大阪大学片山一朗先生が歴任した.この間,新しいアレルゲン,薬疹情報,パッチテスト試薬の入手法などの情報をいち早く提供していくこと,皮膚アレルギー専門医教育のための教育セミナーの開催や他学会との相互乗り入れ,新しい研究テーマの創出とその支援,継続性のある学会主導の疫学データの集積とその成果の社会への還元などを目標とした.片山先生は法人化に向けて尽力され,任意団体から一般社団法人へ移行し,2016年度 (2015年10月1日?2016年9月30日)が最初の年度となった.

4. 日本皮膚免疫アレルギー学会設立から現在まで


法人化に伴い,片山先生はさらに「皮膚脈管・膠原病研究会」との合同化を進められた.皮膚脈管・膠原病研究会は、北里大学西山茂夫先生らにより、それぞれ1976年、1987年より設立された皮膚脈管懇話会、膠原病研究会を前身として、2001年から合同化されていた。2017年、第47回日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会総会学術大会と第41回皮膚脈管・膠原病研究会の合同年次大会が,鹿児島大学金蔵拓郎先生を会長として開催された.同年、正式に合同化し、学会を「日本皮膚免疫アレルギー学会」と改称し、浜松医科大学戸倉新樹先生が理事長に就任された.さらに2018年には合同後最初の年次大会が、日本皮膚免疫アレルギー学会総会学術大会として,奈良県立医科大学浅田秀夫先生を会長として開催された.日本皮膚免疫アレルギー学会は,接触皮膚炎,アトピー性皮膚炎,蕁麻疹・肥満細胞,薬疹,食物アレルギー,職業アレルギー,膠原病・リウマチ,基礎研究の部門を擁し,皮膚アレルギーを,より高い専門性,より深い学術性,より開かれた公益性という伝統を保持し、研究する学会である.2018年から戸倉前理事長の尽力により、国際的欧文機関誌Journal of Cutaneous Immunology and Allergy (JCIA)が発刊された.2019年11月、高知大佐野栄紀が理事長に就任した.

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